2012年6月3日日曜日

dcstand.comを取材

dcstand.comのピーターさんに話を聞いてまいりました。

この度、7月27~29日開催の「環境広場さっぽろ2012」に共同で出展することになり、その打ち合わせを兼ねての取材でした。

ピーターさんは、「アポロDCスタンド」を考案し、キット販売を行っています。
コンセプトは「ワイフも納得!お庭に似合う手作りソーラー発電スタンド」といった所でしょうか。
ソーラー発電というと、どうしても理系のイメージで、デザインも合理的で武骨なものが多い感じがあります。
ピーターさんは奥さんの意見を重視し、「これならお庭に置いてもいいかな」と思わせるデザイン性を重視したとのこと。それでいて日曜大工的な、お父さんも楽しめる「手作り感」も大事にしていますので、お父さんもお母さんもうれしい。
家族円満を重視した設計思想が面白いな、と思いました。

DCスタンドで作った電気を、直流12Vのまま室内に引き込み、電気スタンドやスマートフォンの充電などに使っています。
使っているアダプターやコンセント類は、近くのカー用品店ですぐに入手が可能なものばかり。
DC12Vを使うことで、既にカー用品という成熟した市場が存在するのが強み、とのこと。
いざとなれば、車載用のインバーターを使って交流100Vの機器も使用できますが、できるだけDC12Vにこだわっています。

たとえば、この電気スタンドの電球型蛍光灯はDC12V対応品だったりします。ドイツ製だそうです。
DC12V対応電球


ピーターさんは趣味でヨットをやってたそうで、そのためか自給自足やDIYの精神が旺盛です。(ヨットの上ではすべて自分で何とかしなければならない)
中古バッテリーを使用
その精神がこのDCスタンドの「独立電源」という特徴に表れています。
バッテリーを内蔵していますが、あえて太陽光発電でしか充電できないようになっています。(電力会社の電気は使わない!)
この100%ピュアな「自家製電気」を使っているうちに、家族の間にも「うちの電気」という意識が芽生えたそうです。

 
札幌に限らず北海道では個人宅で結構イルミネーションをやってる所が多いですが、節電ムードの中、イルミネーション愛好家は肩身の狭い思いをしていることと思います。
ライトアップ用
しかし、このDCスタンドがあれば、「自家製電気」を使って正々堂々と、むしろ胸を張ってイルミネーションを楽しむことができますね。
実際にピーターさんの自宅でも、庭の桜の木をイルミネーションで飾ったり、夜桜のライトアップをしたりして、楽しんでいるそうです。

太陽熱温水器の実験
外に出たところで、ガレージの上に見慣れないものが。。。
何かと思えば、「手作り太陽熱温水器の実験」だそうです。晴れた日には40度以上のお湯が作れるとのこと。
ただ、冬場の対策が今後の課題だとか。


冬と言えば積雪が気になりますが、そもそもDCスタンドを作ろうと思った発端が、大手メーカーがソーラー発電の積雪対策にやたらと大掛かりで高価な装置開発をしているのを見て、「なんて無駄なことを。。。」と驚いたからだそうで、このDCスタンドは非常にシンプルな耐雪設計になっています。
ポイントは角度と外壁材。このシンプルな見た目にも関わらず、冬場に何もせずとも雪で発電が妨げられることはないそうです。2年間トラブルなし、とのこと。


ピーターさんは、DCスタンドを起点として、いろんな人が様々な工夫を考案し、「自家製電気」を楽しむようなコミュニティが生まれるのを期待しています。
中には、新しいアイディアを製品化してビジネスをする人が表れたり、高校生が発明した製品が広まったり、といった面白いことが起こるかもしれません。

あと、ピーターさんが運営に携わっている、「ソーラースクールズ.jp」というプロジェクトがあります。
これは、オーストラリアで実施されている「Solar Schools」の日本語版です。
各学校に配備されたソーラー発電の発電量をリアルタイムにモニタリングでき、過去の発電状況も見ることができます。
ほかにも、学校間の比較ができたり、 学校同士の交流ができたり、エネルギーや環境を学ぶ教材が無料で公開されていたり、と非常に強力な環境学習ツールになっています。
残念ながら日本の学校はまだ参加していません。
せっかく学校にソーラー発電を導入しても、それを効果的に環境教育に活かせていない日本とのギャップを感じました。

いやー、とにかくピーターさんは熱い方で、ほかにもまだまだたくさんいろいろな話を伺うことができました。
DIYの精神、自分でできることは自分でやってしまえ!という考えで、エネルギーチェンジを身の回りから進めてしまうという所に、強く共感いたしました。
コンバートEVも根っこのところは同じですので、今後も関わり合いが生まれていきそうな予感。

ということで、ピーターさん、これからもよろしくお願いします。









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